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9.白醤油とは

白醤油ってご存知でしょうか?
東海地方以外の方は、聞きなれない方が多いかもしれませんね。

「白だし」とは違うものです。
「うすくち」醤油ともまた製造方法が違います。
どこがどのように違うのでしょうか?

まず、見た目の色合いについてですが、「うすくち」よりさらに淡白な色をしています。
ナンプラーのような、かなり透明感のある薄い黄色です。

味わいはやや甘みが強く、上品な味です。煮物や蒸し物、おでん、お吸い物、鍋、卵焼き、麺類などの調理に向いており、醤油の色をつけたくない料理に向いています。

その製造方法ですが、通常の「こいくち」醤油では、原料の小麦と大豆はほぼ同量ずつ使用されますが、白醤油は小麦がほとんどで、大豆が全く使われないか微量加えられる程度です。

また小麦の皮には着色成分が含まれているので、前処理で精白し、色がつかないよう炒らずに蒸します。
熟成期間も色を淡く仕上げるため、3ヶ月程度で仕上げます。

また、最後の火入れ(加熱殺菌処理)を行いませんので、酵母が生きているため、保存料が加えられていても賞味期限が8カ月程度と早いのも特徴の一つです。

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火入れを行っていないことから、白醤油は必ず調理の過程で加熱して使うことが推奨されています。
そのまま食してもお腹を壊すことはありませんが、やはり一度は沸騰させておきましょう。

「うすくち」は原料が大豆:小麦がほぼ1:1で、最後の火入れも行っているので、「白醤油」より旨味成分が強く、保存期間も長持ちします。
それでもなお、この白醤油特有の上品な味わいには定評があり、愛知県三河地方(碧南市、西尾市、安城市など)で特に多く醸造されていますが、最近は千葉県の大高醤油など、関東でも生産しているところがあります。

白しょうゆの起源にはいろいろな説がありますが、江戸時代の後期、19世紀初め頃に、現在の愛知県碧南市で醸造されていた経山寺味噌にたまたま出来た上澄み液が「透明な色をしているのに醤油の味がする」ということで貴人の目にとまり、それがたまたま白醤油の元祖となったという説があります。

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