醤油で使われる塩について
お店でよく売っている醤油の1リットルボトル、あれには何gぐらいの食塩が含まれているのでしょうか。
「こいくち」醤油ですと、塩分は約16%ですので約160g、つまり大さじ10杯分ほど入れている計算になります。
「うすくち」ですと、塩分は約18%ですので約180g、大さじ11杯分強といったところ。かなりの量ですね。
なぜこんなに塩が加えられているのでしょうか?
そもそも食塩というのは、古来より食べ物を美味しくさせる調味料として世界中で重宝されてきましたが、何よりその殺菌性が優れています。
昔から、肉や魚を塩漬けにしたり、野菜を漬け物にして保存食にしたりされていることを思うと納得がいきますね。
醤油も調味料として長期に保存されるものですから、腐敗を抑えるために、最低限の食塩を入れておくことが不可欠です。
醤油に使用される塩の種類として、「天日塩」使用とラベルにアピールしてある商品があります。
この「天日塩」というのはどのように作られ、どんなメリットがあるのでしょうか?
天日塩は、海水を塩田に撒き、日光と風邪の力で蒸発させて結晶を抽出する精製法です。
天日塩は自然エネルギーを利用するだけで初期設備投資がかからないため、海外の多くの地域で今も採用されています。
逆に天日塩でない塩は、ろ過した海水を専用窯で焚いて煮詰め、結晶化させたものになります。
こちらは非常に化学的な手法となるため、自然の力で精製する天日塩のほうが健康によいとアピールするメーカーもありますが、実は一概にそうとは言えないのです。
塩田に撒くというのは、そこに煉瓦やタイルが敷かれるとはいえ、泥や埃がどうしても混ざりこんでしまいます。
また海水に汚染物質が含まれていた場合も一緒に固化されてしまいます。
もちろん、日本国内で売られている塩は、輸入した天日塩を濾過し、きれいな食塩として再精製して作られていますので、身体に入れても安全なよう配慮されています。
しかし、天日塩というだけで健康によいというイメージを持つのは、必ずしも正解ではないということを覚えておきたいものです。