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7.醤油の溜まりとは

「再仕込み」醤油をご存知でしょうか。
生産量の1%に満たない、貴重な醤油です。

やや高価なので、スーパーなどで目にしたことはあるけど、購入したことはない…という方もいらっしゃるかもしれませんし、すでにおさしみ醤油として馴染みのある方もいらっしゃるかもしれません。

お中元などの贈り物にも使われるほど高級感のあるこの「再仕込み」醤油、いったい何が「再仕込み」されているのでしょうか?

通常の濃口醤油などの製造過程では、醤油麹に食塩水を投下しますが、「再仕込み」は、ここでなんと食塩水の代わりに生醤油や醤油を使って醸造します。

市販のお醤油の二倍以上の原料や手間が加えられて出来上がることを思うと、価格が上がるのも頷けますね。
その分塩分が濃いのではと思われるかもしれませんが、通常の「こいくち」醤油の塩分濃度が約16%なのに対し、「再仕込み」は約14%と、逆に少し塩分が少なめです。

もちろんその分、美味しさは格別!
ドロリと濃い色味、他には無い芳しい香り、口いっぱいに広がる旨味は、いずれも普通の醤油には醸し出せない贅沢さです。

とろみがあってよく食材と絡みますので、おさしみやお寿司、冷ややっこ等に少し垂らして頂くのはもちろん、炒めものや照り焼き、すき焼き等の最後の仕上げに加えて頂くのもお勧めです。
奥深い甘味が食材の味を引き立てますし、火を通すことでさらに香ばしさが増して、いつもと違う上等な風味を演出してくれます。

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山口県を中心に、山陰地方や九州地方で生産されていますが、通販などで手に入れることが可能です。

ちなみに「再仕込み醤油」は別名「甘露醤油」とも呼ばれています。

由来の一説には、18世紀末頃、時の岩国藩主・吉川公が「どうやら柳井の地に大変おいしい醤油があるらしい」と聞きつけて持ってくるように命じ、柳井の醸造家・高田伝兵衛が献上したところ一口なめて「これは美味。実に甘露である」と手放しでお褒めになったところからきているそうです。

そのためか今でも柳井市では甘露醤油が特産品となっており、いくつかの老舗醸造元で美味しい甘露醤油を手に入れることができます。
お醤油の好きな方は、山口県へご旅行の際は是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

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